教科書や参考書の三角比・三角関数の単元を学習していて「こんなにたくさんの公式、覚えられない!」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
余角(
さらには
ほとんどの高校生や受験生にとっては頭を抱えてしまうような量です。
しかし、結論としてはこれらの多くの公式を覚える必要はありません。
これらの公式は、三角関数の加法定理からすべて導くことができるのです。
覚えなくてもよい公式
加法定理から導出することができる公式を紹介しておきます。
これらの公式は無理に覚える必要はありません。
余角(
補角(
負角(
2倍角(
3倍角(
これらを一つひとつ暗記するのは、正直なところとても難しいです。
そして実際、私もほとんど覚えていませんでした。
それは、これらの公式がすべて「三角関数の加法定理」から導出できるからです。
覚えておきたい公式:加法定理
三角関数で覚えておきたい公式は「加法定理」です。
これさえ知っていれば、先ほど紹介した多数の公式を導くことができます。
三角関数の加法定理:
この3つの公式を覚えておけば、余角(
では、実際に試してみましょう。
加法定理から公式を導いてみる
余角・補角の公式の導出
余角(
例として
三角関数の加法定理
このように、加法定理だけ使って
負角の公式の導出
ここでは
加法定理を適用できる形にするため、
この
以上のように、
ややトリッキーでしたが、
2倍角の公式の導出
2倍角の公式は、加法定理から簡単に導くことができます。
たとえば
ただ、このままの形では加法定理を使うことができません。
しかし、次のように見方を変えることで加法定理を使うことができるようになります。
このように
三角関数の加法定理
以上のように、
3倍角の公式の導出
3倍角の公式も加法定理から導くことができます。
例として
そこで
加法定理
2倍角の公式をおさらいしておきます。
2倍角(
この2つを代入して整理すると、次のようになります。
ここで、
以上のように、
その他の公式の導出
ここでは例として
もはや説明するまでもないかもしれませんが、加法定理
このように、
まとめ
今回のまとめです。
- 三角関数の公式をすべて覚える必要はない
- 加法定理さえしっかり覚えていれば、そこから多くの公式を導くことができる
大学入試(特に共通テスト)ではスピードも求められます。
スピードアップのため、使う場面の多い公式(2倍角など)は覚えておいてもよいでしょう。
しかし、正確に覚えない限り、公式暗記は失点の原因です。
模試や定期テストで公式を間違えた経験のある人は、今回紹介した方法をぜひ実践してみてください。